仕事や家事が忙しかったりと、現代社会において規則正しい生活を送るというのは、簡単なようで中々難しかったりします。
仕事の都合等で、食事の時間がバラバラになってしまっている人は多いのではないでしょうか?
「寝る前に食べると太る」という話は様々な所で耳にします。
ですが、何故寝る前に食べると太るのでしょうか?
同じカロリーを摂取しているのに、食べる時間が違うだけでどうして太りやすくなってしまうのか、少し不思議に感じませんか?
しっかりとした理由がわかれば、「それなら気をつけよう」という意識を強めることができるかと思います。
そこで今回は、寝る前に食べると太る理由をご紹介いたします。
寝る前に食べると太る理由
栄養を貯蓄してしまう
寝る前に食事をとると、食事から得た栄養がほとんど使われないまま貯蓄に回ります。
モチリンと呼ばれるホルモンの働きが衰えて、腸内の老廃物や便の排泄が不十分となって腸内環境が悪化します。
これにより老廃物の腐敗や便秘、腹部膨張感、冷え、肥満等に至りやすくなるのです。
寝る前に食べると太る理由
人間は、寝ていても体温は維持されていますし、心臓も動いていますし、脳も活動しています。
寝ている間にも、どんどん中性脂肪や糖質は消費されていっているんです。
糖質が少なくなれば、空腹感が生まれます。起きているときは、その空腹感を紛らわせるために食事をとります。
しかし、寝てしまえば空腹感は感じません。
ですので、血糖値をある程度低くした状態で寝てしまえば、寝ている間にさらに血糖値が下がり、グルコガンの放出量が一気に増えます。
つまり寝ている間に多くの中性脂肪が消費されることになります。
本来ならこの状態では、極度の空腹感を感じるはずなのですが、夢遊病でもない限り、寝ながら食事をとるようなことはありません。
つまり、寝ることによって空腹感との戦いを避けているんです。
たとえ、起きている間にある程度の中性脂肪を溜め込んだとしても、寝ている間に消費される分で、ほとんど相殺できます。
満腹になるまで夕食を食べて、すぐに寝てしまえば、血糖値がかなり高い状態で寝ることになります。
その場合インシュリンが大量に放出されますので、寝ている大半の時間、せっせと中性脂肪へ栄養を送り込み続けます。
寝ている間に中性脂肪をどんどん増やしているんです。
昼間に中性脂肪を溜め込み、寝ている間も中性脂肪を溜め込む。
これなら、太って当然ですね・・・。
これが、寝る前に食べたら太る、といわれている理由です。
出典 寝る前に食べたら太る理由
科学的にも実証済み
最近の研究では「寝る前に食べると太る」ことが分子レベルでも立証されてきています。
DNAに結合しているBMAL1(ビーマルワン)というたんぱく質があります。
このたんぱく質は脂肪を溜めこむ働きがあるのですが、このたんぱく質の量が多ければ多いほど脂肪を溜めこんでしまいます。
そして、BMAL1(ビーマルワン)は午後10時ごろから急増し、脂肪を貯め込む働きをして、朝を迎える頃に低下して来るのです。
つまり、午後10時から午前4時は、体が脂肪を蓄積する時間帯と言えます。
この時間帯に食事をすれば、当然太ってしまうという訳ですね。
百害あって一理なし
「寝る前に食べる」ことは、単に太りやすいというだけではなくて、美容や健康にも多大な影響を与えます。
睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンは“若返りホルモン”と呼ばれるように、身体中の細胞を修復して元気にする働きがあります。
しかし、身体がしっかり熟睡しないと、この成長ホルモンは分泌されません。
食べた直後に睡眠をとってしまうと、まだ胃腸が動いていますので、新しい細胞を作る活動が妨げられてしまうのです。
胃腸の環境や睡眠の質が悪くなるので、吹き出物や肌荒れが生じやすくなります。
寝る時間を遅らせればいいの?
ここで疑問に思うのが、「寝る前に食べると太る」のであれば、夕食が遅くなった場合は、寝る時間を遅くすれば太らないのか?という点です。
ですが、これは効果的な解決策にはなりません。
食べた後の寝る時間を遅くしたとしても、夜はエネルギー消費がしにくくなっているのと、自律神経やタンパク質の影響でエネルギー代謝を抑えて脂肪を溜めこむようになっています。
これは私たち人間にプログラムされたものなので、改善するのは難しいでしょう。
根本的な解決をみるには、やはり夕食の時間をできるだけ早くする必要があるのです。
寝る前に食べると太る理由は、避けようのない私たちの体の構造
いかがでしたでしょうか。
以上が、寝る前に食べると太る理由です。
寝る前に食べるというのは、ただ単に太るだけではなくて、健康面や美容面でも良いことはありません。
これは、私たちに元々備わっている機能だけに解決は難しいでしょう。
どんなに忙しくても、「夕食は10時までに必ず済ませる」という習慣を付けた方が良さそうです。