「睡眠不足はダイエットの天敵」
こんな話は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
睡眠不足というのは本当に太る原因になるのでしょうか?
最近では睡眠と体重増加に関する様々な研究も進められていて、何故睡眠不足が体重増加に繋がるのかが明らかになってきています。
体重を減らしたいと考えている人は、十分な睡眠をとることがとても大切です。
何故、睡眠が不十分だと太ってしまうのか?
今回は睡眠不足が太る理由をご紹介いたします。
睡眠不足が太る理由
睡眠不足が太る根拠を示すデータ
まずは下記のグラフをご覧ください。
これは看護師を対象に行われた、睡眠時間と体重増加の調査結果を表したものです。
まず看護師を対象とした睡眠時間と体重増加を調べた調査では、睡眠時間の最も少ない5時間睡眠のグループが6時間以上眠っているグループに比べ、体重が重く、さらに年齢を経るごとに急激に体重が増加していることがわかりました。
出典 「眠らないと太る」は本当だった!睡眠不足はダイエットに悪影響
こちらのグラフを見てもわかるとおり、睡眠時間が短いだけで体重が重くなっているのがわかります。
特に5時間睡眠のグループは頭1つ飛び出て体重が重くなる傾向が強いので、最低でも毎日6時間以上睡眠をとることが太らないためには重要です。
太る理由
睡眠不足が太る理由は、主に2つの理由が挙げられます。
①摂取カロリーの増加を招く
②消費カロリーが低下する
何故摂取カロリーや消費カロリーに変化が起きるのかというと、睡眠不足により食欲をコントロールするホルモンの分泌異常が起こるからです。
人の食欲や代謝を司るホルモンには、「レプチン」と「グレリン」があります。
レプチンは脂肪細胞が体内に増えると脳に働きかけて食欲を抑え、エネルギー消費を増やす働きをし、一方のグレリンは脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の指令を出します。
つまりグレリンの分泌量が増えるほどカロリー摂取量が増え、肥満につながりやすくなるということなのです。
スタンフォード大学の研究によると、1日の睡眠時間が5時間の人は、睡眠時間が8時間の人に比べて、血中の食欲増進ホルモン、グレリンがなんと14.9パーセントも多く、逆に食欲抑制ホルモン、レプチンの量は15.5パーセントも少ないことがわかりました。
睡眠不足は食欲を抑えるホルモンが減って、食欲を増進させるホルモンを増加させます。
空腹感が増えることで、自然と摂取カロリーが増えてしまうというわけです。
寝不足な時ほど、高脂肪なケーキやこってりしたラーメンが食べたくなりませんか?
体の危機管理システムが働く
睡眠不足というのは、いわば体が正常ではな状態といえます。
こいった状況下で、私たちの脳が“生命の危機”を感じて体に脂肪を蓄えようと働きます。
ダイエットをしていて、急激に体重を落とすとリバウンドしやすくなりますが、これも体の危機管理システムが働いた影響です。
これと同じように、少ない食事から過剰にカロリーを摂取したり、消費エネルギーを節約して、生命を少しでも存続させるように体が働くのです。
このように、睡眠不足の時は過食気味になりやすく、また運動してもエネルギーとして消費されずらい体質になってしまいます。
代謝を落とす
睡眠不足が太る理由として、体の基礎代謝が下がるということも原因に挙げられます。
睡眠不足の人は、十分な睡眠を取った人と比べて、筋肉量が減るということがわかっています。
これは、体がエネルギーを消費する際に、脂肪を蓄積して筋肉を優先的にエネルギーに変換しているからです。
筋肉の量が落ちれば、自然と基礎代謝も落ちてしまいます。
カロリーが消費されずらくなるので、運動しても思うように痩せられない体質になるということです。
インスリンの働きが変化する
インスリンは、別名「肥満ホルモン」と呼ばれ、糖を脂肪に変える働きをします。
睡眠不足の人は血液中にインスリンが残りやすくなるので、それだけ脂肪が作られることになるのです。
睡眠不足が太るばかりか、病気のリスクを高める
いかがでしたでしょうか。
以上が、睡眠不足が太る理由です。
睡眠不足というのは、ただ単に太るという以外にも私たちの体に様々な悪影響を及ぼします。
例えば、糖尿病や前立腺がんのリスクを高めたり、免疫力の低下、老化の促進、感情をコントロールできなくなったり、寿命を縮めるといった研究データもあります。
最近では鬱病の原因とも言われています。
日頃忙しくて中々十分な睡眠が取れないと言う人は、是非以下のことを試してみてください。
・日中にこまめな睡眠を取るようにする
・寝る前に携帯を見ない
・部屋を暗くして短くても質の良い睡眠を心がける
・安眠効果の高い食材を食べるようにする
たかが睡眠、されど睡眠です。
理想の体型と健康的な体つくりのためにも、日頃からしっかりと睡眠をとるようにしていきましょうね。