離婚を決意する理由
多くの人は遅かれ早かれ離婚を考える時期が来るものだと言われています。
「離婚したい」とか「離婚もアリかな」と考えることは、長く夫婦関係をつづけていれば、おそらく誰もが一度や二度はあるにちがいありません。
しかし、「離婚」の文字が頭に浮かんだぐらいでは、離婚を決意するには至らないでしょう。
つまり離婚というのはそれだけ人生において、大きな選択というわけです。
ではその大きな決断をしてしまうような「離婚する!」と決意する理由や瞬間にはどんなケースがあるのかを今回はご紹介してきます。
相手が内緒で多額の借金をしていることがわかったとき
まず、「パートナーが自分に内緒で多額の借金をしていることが判明したとき」です。
浮気などの隠し事も離婚の理由になりますが、一度の浮気は許されることが多いもの。
しかし借金となると、そうはいきません。
「隠し事をした」ということ以上に、多額の借金は生活そのものに大きなマイナスの影響を及ぼしてしまうからです。
「一度でもレッドカード」になるのはそのためです。
実際に生活を脅かされることに加え、「そんな金銭感覚の人とはパートナーシップを取りつづけられない」と考える、だから「即離婚」ということになりやすいのです。
存在自体が嫌になる
こんなケースが実際にありました。家庭内別居の末、離婚に至った夫婦の奥さんの話です。
寝室はもちろん別、食事も別、会話は一切なし。
共働きだったので、彼女はできるだけいっしょに家にいる時間を少なくするよう努力しました。
けれど、同じ屋根の下で寝起きしている以上、どうしても顔を合わせることはあるわけです。
その奥さんはそれも最小限にし、たとえば、廊下で夫とすれちがうときは、なんと息を止めていたそうです。
つまり、パートナーのにおいを嗅ぐのがいやだったわけです。
ここまでくると、離婚以外の選択肢はないでしょう。
つまり、「相手が嫌い」とか「ここが許せない」というレベルではなく、相手の存在自体が嫌に感じる。
これが離婚を決意する瞬間です。
「地雷」を踏まれる
暴言がもとで離婚に至るケースも少なくありません。
しかし、このケースでも「ただの暴言」では離婚の決意はしないでしょう。
夫婦であれば、かなりひどいことも、時としてお互い口にするものです。
それを我慢しあって、夫婦関係をつづけているわけです。
しかし、「どうしても許せない」という領域に踏み込まれる、いわゆる「地雷」を踏まれると、その瞬間、離婚を決意するケースが少なくありません。
多くは「人格否定」「自分の両親に対する、限度を越えた侮辱」が、その「地雷」になるようです。
パートナーの経済的理由がきっかけ
最近は共働きの家庭も増え、中にはお互いの給料の所得を伝えず、かかる費用を分担しているといった家もあります。
そういった時、どうしても夫婦のどちらかに経済的に負担がかかる事があり、家庭生活の破たんにつながる事があります。
例えば、夫婦のどちらかが極端に収入が低いのにかかる生活費は折半だったり、また夫婦の一人が働く割合が多いのに、もう一人のフォローが少なく不公平感を感じた場合です。
家庭生活を維持するためには、どうしても経済面の安定が不可欠ですから、そこに不安を感じるようですと、離婚をしようかなと考えるきっかけになるというわけです。
そしてお互いに話し合っても改善されないような場合、離婚を決意する瞬間が訪れるのでしょう。
経済面での安定やそれらについての意思の疎通は夫婦間の最も重要なポイントとなるので、そこをおろそかにしないようにしましょう。
パートナーの精神的協力が得られない場合
家庭生活を維持するもう一つ重要なポイントは、精神面でどの位お互いを支えあっているかという事です。
例えば、家庭における色々な悩み、育児や親せき関係について、夫婦のどちらかが悩んでいるような場合、それについてきちんと話を聞いてフォローできない時に離婚を決意する瞬間は訪れます。
ありがちですが、妻が嫁姑問題で悩んでいる時に、それについて「うまくやってくれよ」程度で話を終わられてしまう。
また、子供の教育に対して夫婦で話し合いたくても無関心だったりすると、共に家庭や人生を歩むパートナーとして信頼できないと感じ「これでは結婚している意味がない」と離婚を決意する瞬間が訪れます。
話を聞いて解決策が出ない場合もある事でしょう。
しかし話を聞く=あなたをリスペクトしているという意思表示が、夫婦関係を維持し良くするために必要なのです。
相手の悩みを自己判断で大した事ない、私にはどうする事もないなどと何も対応しないでいると、相手はひそかに離婚を決意しているでしょう。
不倫をはじめとした裏切り行為がある場合
色々な離婚理由の中で上位を占めているのは、相手の不貞行為=不倫でしょう。
夫婦のどちらかが不倫を行った場合、もう片方が受けるダメージというのは決して軽くはありません。
ます精神的に裏切られたと感じ、相手に対して信頼できなくなりますし、それ以外にも生理的嫌悪感を感じ、夫婦生活を維持するのが難しくなります。
不倫を行った側が「あれは遊びだった」といっても、裏切られた側は納得できず、その瞬間に離婚を決意するといった事は大いにあり得ます。
また、不倫をした側も、現在のパートナーとは終わりにして新たにパートナーを得たいと考えるかもしれません。
不倫という行為を通して、双方に離婚を決意する瞬間は非常に訪れやすくなるのです。
パートナーが自分とは違う未来を見ていることを悟った時
結婚生活には様々なハードルがあるものですが、二人で乗り越えるから一緒に生きていけるものです。
ですから、そのハードルを乗り越える方法やハードルそのものへの感じ方が相手と異なっていたりすると、離婚を意識してしまうことがあります。
人はそれぞれの考え方がありますが、夫婦間に訪れる問題は、協力して乗り越えることが一番大事なことです。
自分の考えを相手がまったく理解を示してくれなかったり、自分が問題だと思っていることに耳を傾けてくれない、といったことが続くと、離婚の二文字を考えざるを得なくなります。
特に、自分が問題だと思っていることを相手がまったく取り合わずに、そのまま生活を続けて行こうとしているのを見てしまうと、相手は自分とは違う未来を想像しているのだなと悟ってしまいます。
そうなると、その未来には自分はいたくない、いることはできない、と離婚の判断に近づいてしまいます。
不幸の未来しか想像できないことに気づいたとき
一緒に生きていくということは、時にさまざまな問題が浮上するものです。
なぜなら、異なる二人が一緒に生活しているわけで、そのまわりにはそれぞれの親族や友人がいて、考え方は千差万別なのですから。
けれども、それぞれ妥協をしたり、わかりあえる努力をしながらなんとかみんなで幸せになっていこうとするものです。
そんな努力を重ねていても、もはや不幸の未来しか想像できなくなったら、人は匙を投げたくなるものです。
何度話し合っても解決できない問題や、繰り返してしまう癖や行為など、夫婦間には多くの問題があります。
それでもなんとかやっていけば、いつか明るい未来があると思えればいいのですが、いつだって暗くて不幸になる未来しか想像できない、なんて状態に陥ってしまったら、別れた方が楽かもしれないという発想になります。
一人になった方が幸せだと確信が持てたとき
二人でいるからこそ、苦しみが半分に、楽しさが倍になるのが良い夫婦の理想です。
それが、夫婦のあるべき姿です。
つまり、その逆が良くない夫婦、別れを選択するべき時、となります。
問題が起きたときに、二人で乗り越えようとする思いやりが双方に感じられないときや、相手の楽しさを自分の事のように感じられなくなった時、夫婦生活の終わりが見えてしまいます。
夫婦はお互いを思いやってこそです。
それがなくなってしまったら、一人でいる方が楽だし、幸せかもしれません。
そのことに気づいてしまった場合、離婚の二文字は近づきます。
特に女性は気持ちがないことに気づいてしまうと、一気に冷めていくものです。
二人の間に愛がない、一人になった方がいい人生を送れそうだ、と気付いてしまった時の女性の行動の早さはすごいものがあります。
もっと大切に思える相手が現れたとき
子供がいる場合はかなりの歯止めになりますが、いない場合はとくに、他に好きな人ができることが離婚の大きな原因になります。
ただの浮気や不倫ではありません。
精神的に、本気で大切だと思える相手が他にでてきてしまった場合です。
むしろ、その相手とは関係性的には何も起こっていない場合にも、気持ちが完全に持っていかれている場合は、離婚を決断することもあります。
特に夫婦間にひびが入っていて、離婚を少しだけ想像してしまうときがあるような状態のときに、好きな人ができてしまった場合はかなりの確率で離婚へと結びつわかりきます。
男女のつながりは最終的には精神的なつながりが第一となります。
結婚を一度でも経験すると、その大切さが痛いほどわかるものです。
夫や妻に精神的なつながりを感じられないときに、もっと分かり合えそうな人が現れてしまったら、心が迷うのは当然と言えるでしょう。
場合によっては一気に気持ちが急上昇して、スピード離婚などということにも発展するのです。
離婚を決意させる方法
徹底的な原因を突き付ける
離婚しようと思うのは、必ずしや何らかの原因があることでしょう。
相手に離婚を決意させるためには、原因を突き付けるのが先決です。
離婚には様々な原因がありますが、例えば相手の不倫なら、不倫相手との密会などの証拠を突き付け、認めさせる必要があります。
メールやLINEのやり取りが入手できれば、後々優位に事を進める材料になるはずです。
証拠がなければ、相手は言い逃れをして離婚を回避しようとする可能性もあります。
DVの場合は、傷つけられた写真や診断書を証拠として残しておく必要があります。
暴言など屈辱的なことを言われた時にも録音しておくと、有無を言わせない証拠となるでしょう。
そのように、確実な証拠を集めて残しておけば、いざ離婚と言う時の切り札として使う事ができます。
証拠を突き付けられれば、相手も認めざるを得なくなるはずです。
別居して期間を置いてみる
あなたの離婚に対する意思が固いのに、相手が離婚を承諾しない場合は、別居をして距離を置く方法があります。
別居をする事で、嫌な相手と毎日顔を合わせなくて良いというメリットもあります。
距離を置くことで相手も冷静に物事を考えることができるでしょう。
離婚に対しても、あなたの気持ちを多少は理解しようと努力してくれるはずです。
また、別居を続けていると、いつしかその環境が当たり前になって、あなたに対する執着が萎えてきます。
もしかしたら、新しく別のパートナーを見つける可能性もあります。
別居が長期に亘れば、法的にも夫婦関係が破綻したと見なされます。
例えば別居して5~6年後に調停などを申し立てた際には、破綻も離婚原因の一因として考慮されることになります。
別居をすることで一歩離婚に近づくことは間違いありません。
第三者が必要!調停や裁判で話し合う
一番手っ取り早く確実なのは、調停や裁判で話し合う事です。
調停の場合は、男女1名づつの調停委員が間に入り話し合いを進めることになります。
第三者が入ることで、感情的にならず話し合いがスムーズに出来るメリットがあります。
調停委員は公平な立場で最良な方法を提案してくれるので、相手も離婚を受け入れる可能性が高くなります。
親権や財産についても併せて話し合うことが出来るので、後々揉めることも防げます。
残念ながら調停で話し合いがまとまらない場合は、離婚裁判へ移行することになり、最終的には裁判官の判決で結果がでることになります。
ただ、そのように裁判所を介して話し合いを進めると、時間が掛かるというデメリットもあります。
調停も裁判も月に1回のペースで話し合いを持つので、長期になればなるほど精神的に参ってしまいます。
とにかく相手が同意するまで待つ
人によってはプライドが高く、相手から離婚を言い渡されたとなると、プライドが邪魔して受け入れないタイプの人間がいます。
相手にもう気持ちが無かったとしても、意地になって離婚を拒絶してしまいます。
そういった性格の場合、時間が掛かりますが待つのが得策かもしれません。
毎日を普通に暮らす、いわば仮面夫婦を続けて行くしかないのです。
お互いの気持ちが冷めているのは相手も重々承知の上です。
いつしか相手もその環境が必ず苦痛に思うようになるはずです。
冷却期間を過ぎれば、相手も多少は前向きな考えが持てるようになって来ます。
そうすれば、相手から離婚話しを持ち掛けてくる日も遠くないはずです。
離婚を考えている相手と同じ家で暮らすのは精神的に辛いことだと思いますが、プライドの高い相手に納得してもらうには辛抱の時間が必要かもしれません。
離婚を決意する瞬間を突き止める
いかがでしょうか。
離婚を決意する理由や瞬間はその環境や状況で異なるものです。
男に原因がある場合もあれば、女が原因だったりします。さらには姑問題や不倫問題、借金問題など火種は盛り沢山です。
つまり誰もが離婚を考えてもおかしくないといってもいいでしょう。
そんな中で、一切離婚を考えない夫婦も現実にはたくさんいるのも事実です。
すでに離婚を決意してしまった人には遅すぎるかもしれませんが、そのような夫婦はどのような特徴があるのかを知ってみるだけでも、気持ちが変わるかもしれません。
もし今現在カッとなってしまっている人は、一度冷静に自分を客観視してみる時間を作ってみましょう。
決断するのはそれからでも遅くはありません。
それでも離婚に対して思うことがあれば、一度専門家に相談してみることが一般的ですよ。