熟年離婚の原因や理由
熟年離婚の増加が話題になってから、すでに10年以上経ちます。
最近あまりテレビなどで取り上げられなくなったのは、減少したからではなく、熟年離婚があまりにふつうのことになったからと考えていいでしょう。
では、何が原因で多くの中高年夫婦が別れてしまうのでしょうか。
そこで今回は熟年離婚の代表的な原因や理由をご紹介します。
セカンドライフ・プランの決定的な相違
最初は、セカンドライフ・プランの決定的な相違が熟年離婚の理由に鳴るというケースです。
ありがちなのが、夫は田舎暮らしを望み、妻はそれを強く拒むというケース。
都会に暮らしていた人がリタイア後に田舎へ生活の場を移したいという希望を持っている人がここ最近ものすごく増えています。
しかも、ほとんど場合、それを望むのは男性である場合が多いものです。
これは男性特有の「夢」を見てしまうことが原因ではないでしょうか。しかし現実に、中高年になってからの田舎暮らしは容易なものではありません。
女性はリアリストですから、リアルな生活を考え、「とんでもない」と拒否することでしょう。
また、女性は地域社会とのつながりが強く、現在の住まいの近隣に友人や知人がたくさんいます。
その人間関係をすべて断ち切って田舎へ移ることを拒否するのは、当然のことと言っていいでしょう。
望む生活の場がまったく違うのでは、離婚するしかありません。
妻が早い段階から、「退職金が出たら離婚する」と決めている
続いて熟年離婚の理由に多いのが、妻による「計画離婚」です。
かなり早い段階で、「この人と一生添い遂げるのは嫌だ、できれば離婚したい」と感じている妻がたくさんいるのが事実です。
夫が現役の間は生活を優先してじっと我慢しているのですが、「夫が定年退職して退職金が出た段階で別れよう」と考えているのです。
つまり、その退職金と財産を折半して別れ、あらたな人生のスタートを切ろうという、計画を立てているのです。
夫のほうは妻の計画を夢にも知りませんから、大変驚くでしょうし、ひとりになって茫然自失、というケースがほとんどです。
定年退職になった夫が、妻の「精神的なお荷物」になる
夫の定年退職を機に、夫婦の関係が変化することは、めずらしくありません。
良い方向へ変化する例もありますが、それは少数派だと言えるでしょう。
多くの場合、毎日ほとんど家に居てごろごろしている夫を、妻は不満に思うものですよね。
毎日少しずつストレスがたまっていき、ついに妻が「もうがまんできない!」とキレて、離婚に至るケースが少なくないのです。
鈍感な夫は妻の不満やストレスに気づきませんので、妻からの離婚の申し出を「寝耳に水」と受け取ることがほとんどです。
今さら、自らの行いを後悔しても時すでに遅しという状態なんで、あらゆる説得は無意味に終わる可能性が高いことを覚えておきましょう。
そんな状態を望まないのであれば、夫は日頃から自らの行動に注意を払うべきでしょう。
スキンシップがなくなったから
スキンシップとは、例えば手を繋ぐような小さな事から夜の営みなどの大きな事まで全ての事を言います。
スキンシップをとることは男女にとってとても大切な事だというのは言うまでもありません。
会話ももちろん重要でしょう。
ですがやはり、肌と肌の触れ合いがあるからこそ愛は継続するものだといってもおかしくはありません。
言葉だけのやり取りなら誰とでも出来ますが、でも肌に触れるのは特定の人だけです。
特に女性は、なんとも思ってない男性から触れられるのは嫌悪感でしかないでしょう。
だからスキンシップ出来る相手というのは限られるのですが、女性は恥ずかしがり屋が多いです。
例え夫婦のように気心知れた仲でも、自分からスキンシップをとりにいくことができない女性はたくさんいるということ。
ですから、旦那さんが頑張ってスキンシップをとっていきましょう。
旦那さんが頑張らなければスキンシップは日々の生活からどんどんなくなっていきます。そして女性は「愛されてない」と感じ始めます。
そう感じ始めた女性は、少しでも優しくしてくれた男性になびきやすいです。それが離婚の原因に繋がるのです。
女性は愛されない生活よりも、愛されている生活がいいですよね。やはり女性は愛するより愛されたい生き物なのです。
不倫が原因の熟年離婚
不倫は熟年の場合、ほぼ一発で終わる事がほとんどでしょう。
子供がまだ小さい時は、子供のためにも離婚はよくないと考え、なんだかんだ言いながら乗り越えたりするものです。
ですが熟年の場合、子供は大きくなって親の手から離れていきます。そうなると離婚を止める理由がなくなるのです。
子供のために我慢できた事も、子供がいなくなれば我慢出来なくなるものですので、一気に熟年離婚の話が進むことだってありえます。
女性の社会復帰が原因
結婚生活を長く続けると、お互いの嫌な所ばかりが目立つようになってきます。特に女性はそうでしょう。
しかしずっと主婦の女性の場合、夫の事がどんなに嫌でも一緒にいなければ生活できません。
それが、子育てもひと段落し働き始めると、奥さんは自分が働いた分収入を得られるようになります。
そうなると自分でも稼ぐ事が出来るんだ、夫がいなくてもやっていけるんだというように思うようになり、離婚に踏み込めるようになるのです。
今まで蓄積されていたうっぷんを晴らすがごとく、社会復帰して1人でやっていける経済力を身につけ始めたとしたら離婚の兆候があるかもしれません。
相手や相手の親の介護をしたくない
超高齢化社会の日本にあっては、多くの人が「介護問題」と向き合うことになります。
自分の親であれば、介護するのも子供の務め、親孝行と考え、納得して面倒を見ることもできるでしょう。
しかし、血のつながっていないパートナーの介護となると、違ってきます。
特に、熟年夫婦はすでにパートナーに対する愛情をなくしているケースが少なくありませんから、「好きでもない相手の介護はしたくない」と感じるケースが多いのです。
まして、相手の親の介護となれば、多くの人が「イヤ」と感じるのもやむを得ないでしょう。
介護はその相手に対する強い愛情がなければ続けられるものではありません。
よほど、相手の親との精神的結びつきが強くなければ、「これも自分の務め」と考え、納得して介護をすることは不可能です。
寿命が伸びたため、自分自身がすでに「熟年」と呼ばれる年齢になっていて、かつ、相手の親が存命というケースが増えており、それが介護問題につながるわけです。
相手を生理的に受けつけられない
これは主に妻の側の離婚理由ですが、「生理的に相手を受けつけられない」という理由もあります。
女性には、年齢に関係なく、生理的に受けつけられる男性と、そうでない男性がいるものです。
夫婦になったのですから、結婚当初や若いころは、もちろん前者、つまり「生理的に受けつけられる男性」だったわけです。
それが、夫婦生活が長くなり、年齢を重ねるにしたがって、変化してしまうことが少なくありません。
愛しあって結婚し、子供も作った男性に対して、「生理的にムリ」と感じるケースが、女性には多いのです。
その原因の多くは、パートナーの肉体的変化にあります。
メタボ体型になったり、頭髪が薄くなるなどの外見上の変化だけではありません。
多いのは、加齢臭や口臭などの体臭。
鼻をつまんで生活するわけにはいきませんから、「こんなクサい男性とはとてもいっしょに暮らしていけない」ということになるわけです。
相手のモラハラやDVに耐えられない
定年退職になり、「毎日が日曜日」ということになると、酒量が増えてしまう男性が少なくありません。
酒癖の良い、穏やかなお酒であれば、それも老後の楽しみの一つと言っていいでしょう。
しかし、酒癖が悪い場合は、酒のせいでパートナーを心身両面で傷つけてしまうことにもなります。
そうでなくても、定年になれば、夫婦いっしょにいる時間が格段に増えますから、ケンカや衝突の機会も増すでしょう。
その際、ふつうの夫婦喧嘩のレベルを超えた「モラハラ」や「DV」になってしまうことも少なくないのです。
そうした精神的、肉体的虐待は、どうしてもエスカレートしてしまう傾向があります。
そのため、最初のうちはガマンできていても、「もう、これ以上は無理」と判断し、離婚という選択をするわけです。
最近は、妻のモラハラやDVが原因で、夫が離婚を決断するケースも少なくありません。
妻が「いっしょのお墓に入りたくない」と考える
これは、ほぼ妻側に限られたものですが、「パートナーといっしょのお墓に入りたくない」という理由で、熟年離婚してしまうというケースもあります。
最近は「終活」をする人が増えていますが、具体的な活動はしなくても、人間、ある程度の年齢になると「自分が死んだ時のこと」や「死んだ後のこと」を、なんとなく考えるようになるものでしょう。
自分の死に関するテーマの一つが「お墓」です。
先祖代々のお墓がある場合、男性はそのお墓に入ることが当然と考えるのがふつうでしょう。
自分で墓地を購入したケースも、同様です。
しかし、女性はそうとは限りません。
「死んだ後も夫といっしょにいるのはイヤ」、「死んだら、実家のお墓に入りたい」、さらには、「夫と同じお墓に入るのはかまわないが、あの憎い姑といっしょというのは、どうしてもガマンできない」と考える女性が少なくないのです。
そういう気持ちになった場合、「離婚」という選択肢が頭に浮かぶわけです。
熟年離婚の理由をハッキリさせないと後悔する
いかがでしょうか。
熟年離婚に至るには必ず理由が存在します。
そして不思議なことに、お互いが離婚を考えているのではなくて、どちらか一方が不満をため、それを一気に吐き出すパターンが目立ちます。
離婚をしたくないと訴えても聞く耳を持ってもらえないことも多いでしょう。
ですが、せめて理由をハッキリさせないと言われたほうが納得がいかないですし、簡単に「じゃあ離婚する」とはいえませんよね。
その原因や理由が明らかになれば、対処法も見つかる可能性が少しは出てきますし、もしかしたら納得してしまうこともあります。
なんにせよ、熟年離婚だからこそ、その理由や原因をハッキリさせる必要があることだけは覚えておくべきではないでしょうか。
離婚に対して思うことがあれば、一度専門家に相談してみることが一般的ですよ。