女性の社会進出が一般的になり、最近では家庭に入り「専業主夫」になる男性が増えてきました。
結婚前の年収が妻よりも低かったり、妻がビジネスで成功を収めたりと家計的な理由から主夫を選ぶ男性もいれば、勤め先の倒産やリストラ、体調を崩し自宅療養が必要になったりと、自分の意思や理想に反して主夫を選ぶ男性もいるようです。
専業主婦を想定した国民年金の第三号被保険者数は年々減少傾向にあります。
女性の社会進出などが減少の要因のひとつとして考えられていますが、一方で第三号被保険者となっている男性は年々増加傾向にあります。
厚生労働省によると、男性の第三号被保険者は1997年から7年連続で増加の傾向にあり、2003年度は8万108人と初めて8万人を突破。
10年前の96年度と比較して約2倍にも上っています。
年々増加している専業主夫ですが、まだまだ一般的とはいえず世間からの理解は得ずらい状況のようです。
何かと悩みの種が多そうな専業主夫ですが、世間の専業主夫は具体的にどのようなことに悩むのでしょうか。
そこで今回は、主夫の悩みをご紹介いたします。
主夫の悩み
周囲の目
家族の理解は得られても、近所の方や親戚の方など、世間的にはまだまだ理解されにくいというのが実情のようです。
「男は金を稼ぐのが仕事」「父親に育てられる子供は可愛そう」こういった批判をする人も多くいるでしょう。
ふとした瞬間に感じる周囲からの冷たい目に負けないようにするためには、評価を他者に委ねるのではなく、自らの存在意義をきちんと認識する必要がありそうです。
自分の選択に揺るぎない信念をもっていれば、周囲の目はさほどきにならないのではないでしょうか。
友達ができない
友達を作るためには外に出かけていって交流を広げなければいけませんが、専業主夫の職場は基本的に自宅であり、出かけるといっても食材や生活用品などの買い物くらいになってしまいます。
また、女性であれば近所の専業主婦とも当然のように打ち解けられるでしょうが、主夫の場合は気軽にご近所さんと友達になるのも難しいようです。
こういった環境から、専業主夫は友達は作りにくいと言えます。
将来に対する不安
将来に対する不安も、専業主夫が共通して抱えている悩みのようです。
保険の加入も専業主夫の場合基本的に断られます。
万が一奥さんに先立たれてしまった場合の遺族年金や遺族補償年金ももらえません。
また、何かのきっかけで、また外で働くことになりはしないかという不安もあります。
専業主夫の期間は職歴の空白期間となりますが、その年月が長いほど再就職が難しくなるのが現実です。
まだまだ社会的に専業主夫への理解があるとはいえません。
専業主夫に対して、一線を退いた過去の人という印象を与えてしまうのは避けられません。
こういった不安を少しでも軽くするためには、専業主夫をこなす傍らで、何かしらスキルアップをする時間を設けた方が良いかもしれません。
本能的に向いていない
元々女性は子供を産んで育てるという、繁殖本能とでもいうべき気構えを持っていますが、男性の場合は繁殖衝動というよりは快楽衝動の方が強い傾向があります。
こういった男女の性質を考えると、家庭に入り家事や育児をこなすというのは、男性が元来持っている本能としては向いていないと言えます。
女性は本能的、生物学的に組み込まれた事であるので、子育てや家事もこなすことに抵抗は少ないかと思いますが、男性がその立場に置かれた場合、どうしても理由や理屈を必要とする一面があります。
快楽的な衝動が満たせなかったり、長期的に同じことを淡々とこなすというのが苦手な男性にとって、常にイライラしてしまったり思い悩む人は多いようです。
周囲に気を遣わせる
専業主夫はいくら育児や家事を頑張ってこなしたとしても、お金を稼いでいないという点において周りから「情けない」と見られてしまうことが多いようです。
仕事量は一般的な専業主婦となんら変わらないにも関わらず、男であるがゆえに「ひも」「ニート」「男は金を稼ぐのが仕事」など痛烈な批判を受けることも珍しくありません。
深い部分で理解してはもらえないという孤独と戦うのも、専業主夫の大きな悩みの1つです。
幼稚園や小学校のママの集まりに参加できない
専業主夫というライフスタイルはほぼ認知されていないことから、こういったいわゆる学校活動に参加すると常に浮いた存在になってしまいます。
「子供との大切な時間を共有するためなら多少浮いても構わない」という場合でも、子供が小さい頃は赤ちゃんに授乳する母親もいるので敬遠されてしまうようです。
自分の時間が持てない
一般のお仕事とは違い、専業主夫の仕事はいつからいつまでという明確な区切りはありません。
やるべき事は山積みであり、やるべき事を先送りするのもコツコツ進めるのも全てが自分次第です。
こういった状況から、中々自分だけの時間を作ることができずにストレスを抱える男性も多くいます。
自分に自信が持てない
「影響力のあることがしたい」「勝負をしたい」「達成感がほしい」
男性にとってこういった願望は、少なからず誰しも抱いているものかもしれません。
当然ですが専業主夫だと、こういった願望は満たしずらいといえます。
自分の存在意義は自身で見出すものなのでしょうが、簡単にできれば誰も苦労しません。
主夫の悩みは理解・評価されないこと
いかがでしたでしょうか。
以上が、主夫の悩みです。
社会的にまだまだ認められていないというだけに、専業主夫には様々な悩みがつきものです。
世間体が悪い、うしろめたい、法的に保護されないなどが悩みを増やします。
そういった「世間の目」を気にする人は専業主夫には向いていないと言えるでしょう。
ライフスタイルも多様化している現代、周りの意見に左右されず、自分の幸せを追求して選択することが、悩みそのものを軽くしてくれるのではないでしょうか。